ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆☆
覚えておきたい言葉(引用):
金本位制には次のようなルールがあった。
金本位制では、国内に流通する紙幣の量は国や中央銀行の持つ金の量に比例する。
国際収支が黒字続きなら、国内に金が流れ込む。金を手に入れた人は、中央銀行で金を紙幣に換える。その紙幣が市中に流れ出て、流通する紙幣を増やす。
逆に輸出が振るわず、輸入が増えれば、貿易業者は、差し引きの赤字を銀行で紙幣を金にして外国に払わなければならない。国の保有する金は減り、市中に流通する紙幣も減る。
紙幣の発行が増えれば、金利が下がる。カネがだぶつき、モノの値段は上がる。輸出価格が上がり、輸出は減り、逆に輸入が増え、国際収支の黒字は縮小する。あるいは、赤字になる。
国際収支の黒字が減ったり、赤字になったりすれば、国が持つ金が減る。そうなれば、国内で流通する紙幣も減る。金詰まりになり、金利は下がり、物価は下がる。
そうなれば、再び、輸出は増え、国際収支は改善する。
◇
実際には、金本位制は神の如き賢い存在ではなかった。例を一つ挙げれば、金本位制が理屈通りの働きをするには、世界の各国が「安ければ輸入する」「高ければ輸入しない」という原則を守らねばならなかった。
ところが実際には、安い外国製品の輸入は国内産業育成の邪魔になる。輸入関税をかけて輸入を抑える。それでは金本位制の「神の手」は働かない。
◇
戦前の政党は離合集散が激しく、党名もしばしば変わっている。必ずしも正確ではないが、このとき天下を取った浜口の民政党は明治の時代に大隈重信を中心に集まった民権派の立憲改進党の血を引いている。
当然、税や安く、公債発行は控えめにして、民の負担を軽くし、小さな政府を目指す。したがって、緊縮政策を掲げる。世界不況の時代には相応しい政党のように思われた。
これに対し、政友会は明治時代、最強の権力を誇った伊藤博文が国会を自由に動かそうとして作った。
政府と国会が一体になって、国民が喜ぶ積極政策を展開する。一度に大学を倍にしたり、国の隅々まで、鉄道を敷いたり、道路を作ったりする。
◇
高橋独創の国債販売方式は、まず国が新発国債を日銀に売って、カネを受け取る。そのカネで政府が民間からモノを買う。民間は得たカネで日銀から国債を買う。国債が売れ残って、日銀に溜まらなければインフレにはならないと考えられていた。
国債を仲介におカネが、日銀→政府→産業界→日銀と、グルグル回る。「是清のたらい回し方式」といわれた。
感想など:デフレに陥っていた昭和恐慌の頃と、平成の今はよく似ている気がする。この頃にも緊縮政策による財政再建を試みようとしたが失敗している。歴史を学ぶに、デフレの時に消費税上げるのはやはりよくないように思う。
