ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆
覚えておきたい一文:
「あのさー、中学校入る時に通学カバン買いに行ったわけ。島にはないからさ。那覇のデパートに行くわけさー。私、値段の高い、いい革の取っ手のしゃれたのが欲しくってさ、ゴネたわけ。うちのお母さん、そんなに貧乏ってわけでもないのにさ、合成革の軽いのにしろって言うわけ。そしてこう言ったの。通学カバンなんてたった三年使うだけで、用が足りればそれでいい。本革と合成革は、そんな違いはないのに値段は倍する。あんた、今、そんなことにこだわると、どうでもいい違いのために、倍働かなきゃいけない生き方すんのよ、それでもいいのって」
ひとことコメント:
いまいち下流社会の本質をとらえていないと感じつつ、「いやいやそれはないでしょ」とつぶやきながらもなぜか最後まで読んでしまった。まぁ、さすがベテラン作家というべきか。本質をとらえていないと感じたのは、視点が筆者の世代に置かれていたせいかな。どちらかというと、映画の『悪人』が描いていた、あのどこにも抜け出せない感じが下流/格差社会の本質な気がする。
