『こんな日本でよかったね』2

「格差社会」というのは、格差が拡大し、
固定化した社会というよりはむしろ、
金の全能性が過大評価されたせいで人間を序列化する
基準として金以外のものさしがなくなった社会のこと
ではないのか。
 人々はより多くの金を求めて競争する。
競争が激化すれば、「金を稼ぐ能力」の低い人間は、
その能力の欠如「だけ」が理由で、社会的下位に
叩き落とされ、そこに釘付けにされる。
 その状態がたいへん不幸であることは事実であるが、
そこで「もっと金を」というソリューションを
言い立てることは、「金の全能性」をかさ上げし、
結果的にはさらに競争を激化し、
「金を稼ぐ能力」のわずかな入力差が社会的階層の
乗り越えがたいギャップとして顕在化する……
という悪循環には落ちこまないだろうか。

内田樹さんの「こんな日本でよかったね」の一文です。
言い得て妙だな、と思いました。
今の日本で、「金以外のものさし」を持つことって、
すごく大変なことだと思います。
でも、それが持てれば素敵な人になれるのでしょうね。

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