タイトル:「ガラスの巨塔」
ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆☆
覚えておきたい一文:
怪文書が多い業界は3つある。ひとつが銀行、2つ目が役所、そして全日本テレビ(注:作中の名称。NHKのことですね)である。理由は簡単で、これらに共通するのは人様のお金をただで頂けること。預金に、税金に、聴取料だ。それだけに世間からの風当たりが強く、体質的に怪文書に弱い。効果が抜群に発揮されるのである。全日本テレビでは人事異動の季節になると怪文書が飛び交い、人事部や危機管理担当のセクションが束になって処理にあたっている。
NHKの内実を描いたとされるこの本では、自分より早く出世する人の足を引っ張るために局内の人間が怪文書を出していると指摘していました。
男は一生に一度でいいから子孫に自慢できるような仕事をするべきである(富士山レーダー現場監督)
この本の作者は「プロジェクトX」のプロデューサーをしていました。番組で取材した人が口にした言葉です。
ひとことコメント:
男の嫉妬ほど怖いものはないと聞きますが、それを見事に証明する作品でした。この人自身、嫉妬を受けてNHKを去ったようですが、なにせ当事者なので客観性は少し頼りないです。でも、この本にはあまり客観性を求めず、一面から見た事実だと思って読めば楽しめます。本の中では、かつてNHKの天皇と呼ばれたあの人物も登場しますが、天皇側にいた人からみるとよい器量だったようです。たしかに天皇がマスコミに叩かれた時も怪文書が飛び交っていたので、あれも彼に嫉妬や恨みを持つ人の犯行かもしれませんね。何が真実かは本当によくわかんないです。
タイトル:「官邸敗北」
ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆
覚えておきたい一文:
私が「独立した歳入庁」が望ましいと考えるのは、先にも述べたように、税制の企画立案および徴税権と予算編成権という財務省が握る2つの権力の源泉を切り離すことによって相対的に国会議員の権威を高めたほうがいいと思うからだ。それが、ひいては国会の権威を高めることになる。
国会議員が予算編成では主計局に頭を下げる一方、国税局にはびくびくしながら仕事をするというのは望ましくない。霞が関と本当にガチンコで対決した経験のある政治家は、こういう話がすぐわかるはずだ。私が知る限りでも、閣僚クラスが改革案件で活躍し始めると、とたんに税金問題で身辺が騒がしくなった例がいくつもある。
官の改革をしようとすると、とたんにスキャンダル報道が起こるのは定番になっていますね。実質的にルールをつくる力を持つ官が強すぎるのはよくない気がする。
亀井の言動をめぐる報道では、マスメディアはパンチの効いた発言に引っ張られて、亀井を追っかけざるをえなくなった。亀井にとっては自分が提案している政策そのものより、ときにはそれ以上にメディア報道を自分に集中させ政局をリードすることが重要だった。そういう亀井の思惑を報じる記事は少なく、表に出た喧嘩を派手に報じた。その結果、亀井の存在感が高まった。
大臣を辞めての後任に国民新の人を抜け目無く充てるところとか、この人は本当にしたたかな気がする。政治家だからしたたかなのはいいんだけどね。
ひとことコメント:
あいかわらず、この人の本を読むと官僚の権謀術数に驚く。
