・家庭に縛られるな!
・鬼であり仏であれ! こんな凄文句が掲げられた編集部内の空気と、山本のいう『当社のモットーは社員の生活の向上』とは著しく矛盾していると思わざるを得ないのである。
知り得た情報は活字にしない。それが真の宝石業界紙記者というものです。
業界紙に蝟集する男たちは大体において、脛か心に深い傷をもっているものだが、宝飾業界のように右翼から左翼まで等しなみ包括してしまっているケースは珍しい(中略)。ダイヤモンドは、鉱物中最高の屈折率を持つ宝石だが、彼らの心情はそれにも増して大きく屈折している。
これは知り合いの著者Hさんに借りている『業界紙諸君』(佐野真一著)という本からの抜粋です。この本はかなり面白いです。真剣にくだらないことを追及している。僕はこういうの、けっこう好きです。『蒟蒻新聞』『にんぎょう日本』『養魚タイムス』……日本には、3500紙(この本が出た当時)もの業界紙があるそうなのである。そのディープさは、摩周湖より深い。たぶん。
