『ローマ人の物語 17』


ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆☆☆
覚えておきたい言葉:

 ユリウス・カエサルを書いていた当時も、私の心の眼は、書いている間中彼を見ていた。だが、私の見るカエサルは、独りでいたことはなく、常に若く元気な部下たちに囲まれていた。彼らの間からは、愉しい笑い声さえも聴こえてくるようだった。ルビコン渡河という生涯の大勝負に打って出たときですら、「これを越えれば、人間世界の悲惨。越えなければ、わが破滅」などと本音を吐き、それでいて彼に従う男たちに不足しなかったカエサルには、孤愁は想像できなかったのである。
 アウグストゥスもまた、独りの彼を想像できなかった。カエサルはすべてのことの決断を独りでしたが、アウグストゥスだって多くを独りで決めたのだ。だが、決断を下すに際し相談できる人はいた。しかも、一人でなく二人も。私の心に映るアウグストゥスは、だから常に、アグリッパとマエナケナスを両脇に従えた姿なのだ。この彼にもまた、孤愁は縁遠い。
 しかし、ティベリウスだけは、孤愁をにじませる姿でしか想像できない。背高くがっしりした体格は、たとえこちらに背を向けた後ろ姿でも貧相とは無縁であったろう。そして彼に背は、手を差しのべようとようと人の想いを拒絶するかのように厳しい。

感想など:『十字軍物語』を読んで面白かったので、再び途中で放り投げていた『ローマ人の物語』を手に取る。でも、長いので、どこまで読んだか失念している。とりあえず、第三代のティベリウス帝のところから再スタート。読んでいる途中で、「あっ、前に読んだな」と思うものの、結構忘れているのでここから読むことにする。カエサルやアウグストゥスのような人をひきつける魅力あふれる人ではないが、膨れ上がったローマ帝国をきっちり整備して、財政を安定化させるために人気取り政策も行わなかったこの皇帝は好感がもてる。
本の中で、皇帝の別荘があったカリブの「ヴィラ・ヨヴィス」の美しい景観について触れられていた。いつか行ってみる。

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