茨木のり子さんの詩


久しぶりに関西に帰省。長く離れていると、大好きだった街を歩いていても何かしらのズレを感じてしまう。そのズレは年々広がっていくように思う。新幹線で東京に戻ると、ホッとしている自分に気づく。複雑な気持ちにもなるが、やはり自分がその時に戦っている場所が自分の居場所なのだろうと思う。
いろいろと考えをめぐらせている時、たまたまNHKの朝の番組で、詩人の茨木のり子さんが特集されていた。その中で紹介された一片の詩が心を打った。

自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

うまくいかないことを、何か別のもののせいにするのは甘えだな、と気づかされました。身がひきしまる。

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