ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆☆
覚えておきたい言葉:
幸せかどうかは、いつか死ぬときにしかわからないんだと思う。今を幸せがっている人を、私はなんとなく信用できない。一つ一つ積み重ねて、たとえそれが何歳のときだったとしても、私は最期に笑って死んでいきたい。
そんなの関係ないよ。私なんか親が決めた人としか結婚できないんだから。あの子は少なくともそういう人がいないんだから、結婚くらい好きな人としたらいいんだよ。金があろうがなかろうが、人を幸せにするのは結局は人なんだから。
深雪の声も震えていた。その音が聞こえるほど、深雪は大きくつばを飲み込んだ。
「見捨てないでってこっちのセリフです。母からものすごく怒られました。若菜家の一員になった覚悟もないくせに何が結婚だって。いいことばかり共有しようなんて図々しいって。浩介さんがあまりにかわいそうだって……」
余命なんて考えても意味がありませんよ。どうせ誰だってそれぞれの余命を持っているもんなんだから。
俊平が一歩前に出た。いつものようにほくそ笑む。
「ああ、死ぬよ。死ぬに決まってんじゃん。ブルース・リーだって死んだんだぜ。俺も、兄貴も、深雪さんも、オヤジなんてもうすぐだよ。みんなのたれ死んで灰になる」
浩介が続きの言葉を引き取った。
「ああ、そうだな。だからみんな必死で幸せでいなきゃならないんだ。せめて生きている間くらいはさ」
感想など:最初は重松清的なお決まりの展開か、と思ってパラパラと読んでいましたが、後半はなかなかに面白くなりました。
