ステータス:読書中
評価(最高が5つ星):☆☆☆
覚えておきたい言葉(引用):
結果、近江に入る頃には、これら闘犬どもの集団はすっかり兄の高氏に懐き、昔からの飼い主に対する犬ころのように従順になっていた。
「いやはや、まさに御大将の器にふさわしきお方でござる」
「人徳と言うのは、足利殿のためにあるお言葉ではあるまいか」
「我らは、あのようなお方を将に戴けて、幸せ者じゃ」
「人への差配、心配りが、いかにも見事であられる」
そんな御家人たちから盛んに上がり始めた賛辞の声を高国は心中、複雑な思いで聞いていた。
……違う、と密かに思う。
兄は、何も考えてないだけだ。
自分の立場などまったく眼中になく、いつものようにごく自然に他人に接しているだけだ。ましては敢えての人心掌握など、夢にも思ったことがない。
◇
ひとことコメント:「逃げ上手の若君」に出てくる足利尊氏(高氏)と同じく、不思議キャラ。
『極楽 征夷大将軍』
イサム・ノグチ巡礼