『スウィート・ヒアアフター』

犬が死んだとき、あんなに悲しんではいけなかったんだ、そうしたら悲しい色がここの空に空気に流れてきてしまう。実感としてそう思った。楽しかったね、時間を共有できて、いっしょに歩けて、ほんとうによかったね、そういう気持ちだけでよかったんだ。

みんな悲しいほどにいろんなことを背負って生きている。鈍くてあまり背負っていない人を見ると一目でわかる。彼らは不思議とロボットみたいに見える。背負ったことのある人だけ色がついていて細かく美しく動く。だから、背負ってしまってよかったな、そう思っていた。私は生きている限りは細かく美しく動きたい、そう思っていた。

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