『庶民は知らないデフレの真実』

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ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆☆☆
覚えておきたい言葉(一部編集):

金融資産課税=いま個人の金融資産は、およそ1400兆円あるから、そこに毎年1%課税するだけで、14兆円の税収が入ってくる。消費税率を2倍にするよりも税収効果は大きい。

法人税=1%引き上げれば、3000億円の税収増につながる。現在30%の法人税率は、1987年までは43.3%だったから、そこまで税率を戻せば4兆円の税収増が得られる。

相続税=小泉内閣時代の2003年に最高税率を70%から50%へ引き下げる大減税が行われた。これを元に戻すだけでも数千億円の税収増はすぐにでも確保できるが、実は、相続財産の厳密な査定によって、桁違いに大きな相続税を獲得することができる。「国民経済計算」によると、2009年末の家計の正味資産は約2039兆円ある。仮に30年で世代が入れ替わるとすると、1年当たりの相続財産の発生は約68兆円ということになる。これに一律20%の相続税を課せば、年間約14兆円の税収を得ることができる。

私は、いまからでも遅くないので、50兆円規模の復興債を発行して、被災地に理想の町をつくるための本格的な投資をすべきだと思っています。50兆円というのは、政府が計画している復興予算の3倍近い規模になります。そんな財政の余地はないと思われるかもしれませんが、復興債を発行して、それを全額日銀が買い取ればよいのです。日銀が全量買い取るので、市場に供給される国債の量に変化はなく、国債の価値が下がることは、ほとんどありません。また、日銀が復興債の購入代金として支払ったお金が市場に出ていきますから、金融緩和の効果をもたらします。
そんな巨額の国債を発行すると、財政が破綻してしまうと思われるかもしれません。しかし、米国は2010年11月から行ったQE2で、6000億ドル(約50兆円)の国債を発行し、それを全額FRBが買い取りました。この金融緩和政策によって米国財政が破綻したという事実はありません。
日本が復興債の日銀買い取りによる50兆円規模の資金供給拡大策を取ると次のことが起こります。
1:対外的には円が安くなり、円高が止まって製造業は元気を取り戻し、景気が回復する。
2:対内的には円が増えることでお金の価値が下がり、物価が上がって、デフレが終結する。
3:デフレが終結することで需要が増えて経済規模が拡大する。
4:経済規模が拡大すれば税収が増えて財政が改善する。
5:しかも復興債で調達した50兆円の予算があるので思い切った復興対策が実施できる。

感想など:たまにとんでも扱いされる森永氏ですが、この本は面白かった。なぜ日本でデフレが続いているかの仮説が面白かった。また、消費増税ではなく金融資産課税や相続税増税を説く部分は説得力があった。

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