ステータス:飛ばし読み
評価(最高が5つ星):☆☆
覚えておきたい一文:
村上春樹のことを考える時、ある情景が浮かんでくる。知り合ったばかりの音楽好きの少年が2人、部屋でレコードを聞いている。プレイヤーから流れているのは、ヴェンチャーズの「ウォーク・ドント・ラン」だ。少年は2人共、目を輝かせている。2人はエレクトリックギターの音に、心を奪われているため、会話を交わさない。2人は何回も、何十回もレコードを回す。
そして、窓の外が暗くなった頃、1人が「いいなあ」と言って、もう1人がうなずいただけで、2人の少年は、お互いの部屋に帰っていく。2人の少年は、それぞれの部屋で、ギターの音を思いだしながら、僕らが演奏家だったらいいのになあ、と考える。
僕らが演奏家だったら、あのいかした曲を、ギターとベースで一緒にやれるのになあ、そう考える。
小説家は、同じ曲を演奏することができない。
ひとことコメント:
図書館の予約画面で検索していたらあたった本。いろんな著名人の村上春樹評を集めている。上記は、冒頭にあった村上龍さんの文章。なかなか愛のあふれた一文です。
