『生きるチカラ』


ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆☆
覚えておきたい一文:

たしかに自分の望む進路は大切で、あくまでもそれにこだわる気持ちも理解できないわけではない。しかし、それは自分に訪れるあらゆるチャンスを妨げてしまうことでもあるということを、よく頭に入れなければならない。

どんな選択にせよ、あらゆる選択には誤りが含まれており、成功か失敗かはそう簡単には判断がつかないのである。そのときには成功に見えても後の大きなトラブルを抱え込むようになったり、失敗に見えて大きな成功に結びつくことだってある。それはあなたが生きているうちだけのことではない。あなたの判断が正しかったかどうかは子どもや周囲の人々のその後の生き方にも影響を与え、どこまでも因果の結びつきは果てしなく続くことになるのである。

人はどこかで選択を余儀なくされる。そして、それによって失望し、落胆し、後悔することもあるだろう。たとえどちらの選択にも「正解」がなかったからといって、それなら仕方がないとあきらめるわけにもいかない。一方を選んだことによってもう一方を選ばなかったという事実からして、人は必ず後悔せざるをえない状況に置かれてしまうものである。「好ましい選択」と「誤った選択」があるのではない。どちらが正しいかは死ぬまでわからない。いや、もしかして死んだ後になって別の評価が与えられるかもしれないし、いつかまた評価が逆転する可能性だって考えられる。

近年、離婚の数が増加の一途をたどっているが、それも必ずしも悪いことではないと思う。これまで経済的な事情とかで別れようにも別れられなかったカップルが関係を解消できるようになったわけで、だれもが愛情以外のものでつながっている必要がなくなったとも考えられよう。一方の浮気に一方が泣くというような古典的な関係性が崩れようとしている。間違いを受け入れて、自分を変えるきっかけにするという前向きな考え方が主流になりつつあるのではないか。そうだとしたら、それはそれで好ましいことのように思われる。

ひとことコメント:
『柳橋物語』を紹介していた本。図書館で予約したら、すぐに借りられた。この作品の哲学は、かなり共感できるものがありました。人間万事塞翁が馬の精神ですね。

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