キャナルストリートの悪夢

あれ? 僕がNYで一番死にかけた時の写真がない。
こんなにヤバイのも珍しいと、
その時の風景写真を撮ったと思ったのになぁ。

それは、異国での緊張、疲労、 前日のコーヒーによる寝不足
 (カフェインが効きやすい体質なのです)、
 当日の無計画な散歩プラン、ガンガン照りの太陽、
8個も一気に食べた小龍包によって生み出された きわめて
典型的な熱中症の症状で、 チャイナタウンあたりで、
頭がガンガンに痛くなり、 吐き気もして、フラフラに。

住んでいる方や、好きな方には申し訳ないのですが、
僕はチャイナタウンあたりを横に走る、
キャナルストリートという通りがどうも鬼門らしく、
ニューヨーク旅行中、何かうまくいかない時、
道の標識を見ると、必ずキャナルストリートでした。

うるさくて、暑くて、
「あぁこの通りは僕に合わないなぁ」と思っていました。
しかし、ホテルへ帰るためには、
その通りを歩いて 駅へ行かなくてはならない。
道に迷うのは序の口で、
運命があざわらうかのように持ち歩いていた水が切れ、
足がひきつる。

日本でなら躊躇なく倒れていただろうけど、
【ダメだ、旅行の保険に入ってない。
ここで倒れたら自己破産だ】という、
借金への恐怖だけを支えに、なんとか駅までたどり着いた。

が、しかし、意識が朦朧としているせいか、
電車を何度も乗り間違い、
ついには、一体どっちがアップタウンで、
どっちがダウンタウンかが分からなくなり、
物理的に地理が上なのがアップタウンだっけ? 
それとも、住所の番地の数字が小さいのが、
アップタウンだっけ? という思いにとらわれ
(今思うと、馬鹿みたいだけど、その時は真剣)、
乗ったり降りたり……。

さらに(一部だけかもしれないけど)ニューヨークの
地下鉄の標識は紛らわしいことに目的駅だけでなく、
始発駅の名前を大きく書いているので、
あれ、これに乗ったら反対方向か……という
勘違いから乗り間違いを連発。何度も何度も。

この日は生きてホテルまで帰れたのが奇跡だった。
熱中症治ってくれ〜という願いをこめて、 ベッドに倒れこみ、
夕方6時から爆眠。 起きたら、AM3時だった。
身体の状態を確認。 おお、治ってる。頭も痛くない。
また、明日も歩ける。

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