ステータス:読了
評価(最高が5つ星):☆☆☆☆
覚えておきたい言葉:
本当なら、あなたと一緒に行きたかった。これは、わたしの偽らざる気持ちです。でも、早季は、わたしたちとは違う。前にも言いましたが、あなたは、とても強い人です。けっして、肉体的にという意味じゃないし、気が強いとか、意思が強いとかいうんでもない。むしろ、涙もろいし、すぐにめげてしまう。わたしは、そんなあなたも好きでした。でも、あなたは、どんな困難に出会って、たとえ、心の底からうちひしがれたとしても、絶対に再起できる。ぽっきり折れてしまって、そのままという人じゃないんです。
「……結局はあなたが言ったとおりになっちゃったわね」
わたしは、奇狼丸に向かって、自重気味に言った。
「わたしは、悪鬼と刺し違えるはずのチャンスを、ドブに捨ててしまった。きっと、そのことを後悔しながら、死んでいくんだわ」
「我々の社会には、繰り言は、墓穴に入ってから蛆に聞かせろという諺があります」
奇狼丸の片目は、まだ、爛々と輝いていた。
「皆さんは、諦めが早すぎる。我々の種族は、心臓が鼓動を止める、まさにその瞬間まで、逆転する方策を探し求めます。それが無駄な努力に終わったところで、失うものはありません。兵士の本分という以前に、生きている限りは戦い続けるのが、生き物としての本分なのです」
感想など:高知旅行中、たまたま向いの席に座った中学生くらいの人が読んでいた本。かなり前のめりになっていたので、そんなに面白いのかな、とタイトルだけうっすらと記憶していました。で、しばらく経って、新聞でこの本の書評を見かけたので、それを契機に読んでみました。「こんな本です」と解説するのが難しい内容ですが、けっこう前のめりで読みました。『黒い家』の著者なので、なかなか怖いところあるけど、面白かった。
