帰国後の話。 ずっと気になっていた
『イサム・ノグチ 宿命の越境者』を読み出した。
「ぼくという子供は、父と母にとって
『予期せぬ出来事』だった。
ぼくは待ち望まれて生まれたのではない。
父母にとっては、不便このうえないお荷物だった」
「アジア人の目には十分に黄色ではなく、
白人の目に合格するには十分に白くない」
イサムさんは少年時代を振り返り、
このような言葉をたくさん残しています。
父に無視され、愛し、頼っていた母とも別れ、
父の生まれた日本でも、
母の生まれたアメリカでも受け入れられない 苦しみを味わう。
「越境者」を宿命づけられた運命。
母親のレオニーさんの心理描写。
「日米混血の息子を、国や地域の枠を越えて
『人間の気持ち』を 表現する『越境者』に育てたいと願った。
生まれついた宿命である 多様性を武器とし、
世界のどこでも通用する人間に育てたかった」と。
一人のアーティストのことが、こんなに気になるのは初めてです。
なんだろうなぁ、これは。
そういえば、この人の創り出すものは、 面白いと同時に、
どこかすでに完結しているというか、
立ち入れない部分がある気がします。
そして、そういう部分が魅力だったりします。
